一戸建てリフォームと耐震

当初は注文住宅として新築したような物件であっても、経年的な劣化は避けられないものですし、現在と当時とでは、耐震性にかかる建築基準なども異なっている場合があります。特に、1981年以前に新築された注文住宅の場合には、今日よりもかなりゆるい耐震基準に基づいているおそれがあるため、必要に応じて耐震リフォームをすることが求められます。この場合、まずは専門家の手によって耐震診断をしてもらうのがよいといえますが、自治体によっては耐震診断に対して助成制度を設けているところがありますので、対象になるかどうかを確認してからのほうがよいでしょう。
実際に耐震リフォームをするのであれば、どの程度まで耐震性を高めるべきか、予算とのかねあいも考慮して選択をする必要が生じます。基本的にはリフォーム会社の担当者とよく話し合い、工事の見積もりをしてもらった上での検討となります。一般的な木造住宅であれば、最低限の耐震リフォームとして、柱や筋交いなどのつなぎ目の部分に耐震金具をとりつけて、地震の揺れに対してより強固にするといったものが考えられます。また、壁のなかに筋交いを入れて、横揺れを防止するといった工事などもあります。この程度の耐震リフォームであれば、費用的にも50万円以下でおさまる場合がほとんどであるため、比較的多く行われているものといえます。
耐震リフォームには、さらに大掛かりな方法もありますが、たとえば、瓦屋根を金属のものに葺き替えるといった工事が挙げられます。一つ一つの瓦を手にとると、意外に重さがあることに気づきますが、瓦葺きというのはその集合体であり、屋根にかなりの重量がかかることは間違いのないところです。そのため、大地震の際にはその下の空間を押しつぶしてしまうことも考えられるため、瓦を撤去して、鋼板など金属系のできるだけ軽い素材を用いて葺き替えることにより、屋根にかかる重量を軽減するわけです。その際、屋根材そのもののほかに、足場の設置や下地の部分の施工なども必要となってきますので、さまざまな手間と材料費をあわせると、耐震金具のとりつけなどの耐震リフォームよりも、かなり費用的には割高となってしまいます。
いずれにしても、効果が高い方法というのはそれだけ費用がかかることから、複数の会社から見積もりをとって、相場とかけはなれた価格でないかどうかはチェックすべきものです。契約をするにあたっても、自治体の助成制度や、銀行などが提供しているリフォームローンの活用なども視野に入れつつ、不安なく取り組めるようにしたいものといえます。